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恋多きゼウスと妻ヘラ その1

妻ヘラに仕える女神官イオの魅力に夢中になったゼウスは彼女を誘惑し、自身を雲に変え、想いを遂げた。しかし、ヘラの嫉妬と怒りを恐れ、イオを白い牝牛に変えたが、それを知ったヘラは夫から無理やり牛を奪い百の眼を持つ巨人アルゴスに見張りをさせた。アルゴスは半分が眠っていても、残りの半分で眼をあけ見張りをするので隙がなかった。ゼウスはヘルメスに命じてアルゴスを殺し救い出したものの、ヘラはこの牛を苦しめるためにたくさんの虻を送り半狂乱にさせた。イオはエジプトに逃げゼウスに救われた。

ヘラはアルゴスの美しく光る100の眼を取り出し、女神に付き添う孔雀の羽につけたという逸話もある。そのため孔雀が羽を広げるとアルゴスの美しい眼を見ることが出来る。

ゼウスの異色の恋

ゼウスは女性だけでなく、とても美しかったトロイア王家の祖トロスの息子も愛した。そして少年を神の宴席で杯に酒を注ぐ待童にしようと鷲に姿を変え、攫ったと言われている。古代ギリシアでは男女の恋愛よりも男性同士の同性愛の方が高貴であると考えられていた。






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