ギリシア神話の中で、最も巨大で恐ろしいとされている怪物テュポンは暴風や自然の破壊力を擬人化したものと考えられている。その様相は天に届かんばかりの頭を持ち、両手は広げると世界の端から端まで届き、肩からは竜の頭が100も生え、腰から下は蛇の足となっているという。
自然の総力を結集し火の岩を投げながら攻め入ってきたテュポンの威力に恐れをなし、神々たちはエジプトに逃げていった。だが、そこに唯一ゼウスだけが残り戦った。一時は傷を負い捕まるが、シチリア島に追い詰め見事に勝利した。それ以来、シチリアと南イタリアの下にはテュポンが閉じ込められており、現在も時々地震を起こしたり、山を噴火させてりすると言われている。
神々たちの戦いはこれでは終わらず、自分たちの巨大な身体と怪力で世界を支配しようと画策した巨人族ギガスが神々たちに戦いを挑んだ。巨人族を滅ぼすには、神々さえも力だけでは無理だが、人間が加われが勝利を手にすることが出来るだろうという予言をうけ、人間である英雄ヘラクレスに頼み、海、天体などのさまざまな神々と力を合わせ、ギリシア神話の中で最も激しい戦いが繰り広げられた。