ポセイドンがテセウスの父であるという説による一説だが、テセウスと少年少女14人、そしてミノス王を乗せた船が出帆した。ミノス王はこの中の一人の少女に惹かれ、襲おうとしたがテセウスに「ゼウスの子であるあなたは今、自制心を失っている。暴力を控えてください。これからミノタウロスの餌食になる悲しい彼女をこれ以上苦しめるべきではない。」とたしなめた。そのとき、彼は自分もポセイドンとピッテウスの娘との間に生まれた者だ。しかし、運命に従い生きていると諭した。ミノスはこれにプライドを傷つけられ、腹をたて父ゼウスに祈り、青空に雷鳴を轟かせて自分の権威を示し、指輪を海に投げ込んだ。そして「もしお前がポセイドンの子であるなら、私の指輪をこの海の底から探してこい。海神の子であるなら出来るであろう」といった。そうして、テセウスは海に飛び込んだ。そうするとイルカが先に進み彼を海底にあるポセイドン宮殿に案内し、父ポセイドンと会い冠と外套を授けられ水に濡れずに王のようないでたちで海上から戻り、船上の者を驚かせたという話もある。
目的を達成し、ミノス王に気づかれないように、娘アリアドネと一緒に島を離れ、アテナイに戻る際に寄港したキュクラデス群島のナクソス島で一行は休憩のために上陸した。だが、出帆するときに岩の上で疲れて眠ってしまったアリアドネを置いていってしまったという。