ギリシャ神話の中にでてくるテセウスは有名な英雄の一人である。子供のいなかったアテナイのアイゲウス王が神託に尋ねたところ「アテナイに戻るまでぶどう酒の皮袋の口を開けてはならない」とのお告げを受けたが、理解することが出来ず、友人トロイゼン王に相談したところ、その神意を理解した王はアイゲウス王を酔わせ、娘アイトラと床を共にさせ、生まれたという説と海神ポセイドンの子という説の二つがある。
アイゲウス王はトロイゼンを去るにあたり、自分の剣とサンダルを岩の下に置き、もし男児が生まれこの岩を持ち上げられるようになったらこの剣を携えてアテナイに来るように言い残した。成長したテセウスは、いとも簡単に岩を持ち上げ、アテナイに向かった。
戦争にまつわるさまざまな物語が残されているが、これはギリシア人が武勇を尊ぶ騎士的な民族性を持っているからだろう。ギリシアと外国との繰り返される戦争の中で、先祖の英雄たちが残した偉業や武勇、勇気に恥じないような強い戦士として戦う力に変えたのだろう。