翼を持つ若い女性として表現されることが多く、勝利を象徴する花輪、オリーブなどを持っている。ホメロスの叙事詩にはこの女神の名前が出てこないことから、ローマ神話の中で比較的新しい神と考えられている。そのため、この女神に関する神話はとても少なく脇役のように、主に世界を支配するゼウスやアテナに付き添い権威や勝利の象徴として表現されている。
オリュムピアのゼウス像やアテナ・パルテノス像でも共通しているのは、差し出す右手の上にニケが乗っていることである。
また単独像はギリシア人が戦争で勝った際に記念のとして奉納されることが多かった。「サモトラケのニケ」像はロドス島の海軍がシリアのアンティオコス三世の海軍との戦いに勝利を収めたときに記念し奉納したものである。
飛走するニケは、少し奇妙だと思われる格好をしている。上半身が正面を向いているのにも関わらず、足が真横向きになっている。これは、この時代に全力で走っている様を表現する方法として使われていた。神殿に近づく信徒たちには真正面で向き合っている。