彼の母はゼウスの雷電に撃たれて死んでしまったが、その時に彼を宿していた母のお腹から取り出され、ゼウスの太ももに縫いこまれた彼は、酒、葡萄の栽培、演劇の神とされており、自然の生産力をを象徴する豊饒神でディオニュソス祭りの情景が非常によく描かれた。作中では酔ったディオニュソスを女信者マイナスやパン、サテシュロス、シレノスが囲み、酒と宗教的興奮に酔いしれて大騒ぎをしながら進んでいく画が好まれていた。
また、テセウスに置いていかれたアリアドネとナクソス島で出会い、彼女の寂しさや悲しみを慰めているうちに、気持ちが通じ合い妻に迎えた。この二人の幸せそうな姿とディオニュソスの取り巻きが祝福をしている情景は近代の絵画に多く見られる。
ディオニュソスの取り巻きは4人おり、マイナスという女信徒でディオニュソスにより、陶酔し我を忘れた状態になり、荒れ狂い、獣や蛇など、行く手を遮るすべてのものを八つ裂きにして生肉のまま食べたと言われている。
サテュロス、シレノスは山野の精で山羊の耳と脚、馬の尻尾などがついた混成的な姿をしており、ともに好色家である。
パンはヘルメスの子であり、サテュロスととても似ており、区別が難しい。牧人の守護神である。